カメラ初心者におくる知っておくべき名カメラマン、見ておくべき写真集

数多くのグラビアやヌード写真を撮影・篠山紀信│カメラ初心者におくる知っておくべき名カメラマン、見ておくべき写真集

写真界の第一線で活躍し続ける、写真家の篠山紀信さん。1940年12月3日東京都生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。大学在学中から、新進写真家として頭角を現し、1961年に第一回日本広告写真家協会展公募部門APA賞を受賞。広告制作会社『ライトパ ブリシティ』を経て、1968年よりフリーとして独立しました。

その時代を代表する人物を「激写」や「シノラマ」などの独自の手法で撮り続けている篠山さん。1975年に雑誌『GORO』で歌手の山口百恵さんのグラビアで使い始めた「激写」は流行語となり、女性をモデルとした激写シリーズとして知られるようになりました。1975年には、激写シリーズの作品を集めた写真集『激写・135人の女ともだち』を発売し、70万部を超えるベストセラーになりました。また「シノラマ」とは、パノラマ+シノヤマを結合した造語で、複数のカメラを結合し一斉にシャッターを切る方法のことです。

■数多くのグラビアやヌード写真を撮影

篠山さんは、多様なジャンルの作品を手掛けています。例えば、現在まで女性を被写体としたヌード写真を撮り続け、女優の宮沢りえさんや樋口可南子さん、高岡早紀さん、杉田かおるさん、壇蜜さんなど数多くの作品を発表。特に1991年に発売した宮沢りえさんの写真集『Santa Fe』は、155万部のベストセラーとなり、ブームを巻き起こしました。2016年には、ヌード写真だけを展示した写真展『篠山紀信展 快楽の館』を開催しました。

また1978年から1997年までは雑誌『週刊朝日』の表紙写真を担当し、1980年から始まった『週刊朝日』表紙の女子大生シリーズからは、女優やアナウンサーを輩出しました。

幅広いジャンルの写真を撮影する篠山さんは、日本のロックバンドであるキャロルをデビュー当時から撮影し、キャロルの売り出しに貢献した人物でもあります。また作家の三島由紀夫氏の死後、夫人によって守られていた三島由紀夫邸を克明に捉えた写真集『三島由紀夫の家』や、ジョン・レノン氏と妻オノ・ヨーコさんを撮影した、ジョン・レノン氏の生前のラストアルバム『ダブル・ファンタジー』のジャケット写真など、常に話題性のある写真を発表してきました。

篠山さんの写真集の中でも、50年にわたるNUDE PHOTOをリミックス編集した写真集『NUDE』や、1989に発売したパノラマ手法「シノラマ」によって制作された作品を集めた『シノラマ・ニッポン』は必見です。

篠山さんは1972年に歌舞伎役者の坂東玉三郎さんと出会うと、歌舞伎の魅力に誘われ、数々の舞台を撮り続けてきました。歌舞伎界と縁が深い篠山さんは、40年以上に渡り撮影した作品の中から、選りすぐりの傑作歌舞伎写真を総編集した『KABUKI by KISHIN』を2017年に発売しています。

篠山さんは、1966年に日本写真批評家協会新人賞を受賞。他にも1972年に芸術選奨文部大臣新人賞、1973年に講談社出版文化賞、1979年に毎日芸術賞、1998年に国際写真フェスティバル金賞など、受賞歴が多数あります。2012年に熊本市現代美術館を皮切りに全国巡回をした『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』では、90万人以上を動員しました。

日本の写真界を牽引する巨匠となっても、篠山さんは「新しいもの、未知のものに出会った瞬間の驚きや怖さに対して、正直であることが大事。知ったかぶっていても、いい写真は絶対に撮れません。いつも新しいものにドキドキする心を持っていたい」と語っています。ほかにも、「写真はその瞬間を撮った時から過去になる。写真は時の死を撮る装置ともいえる」「写真は時代の写し鏡」といった名言があります。

またプライベートではモデルと離婚後、元アイドル歌手の南沙織さんと再婚。タレントとして活動する篠山輝信さんは次男となります。