カメラ初心者におくる知っておくべき名カメラマン、見ておくべき写真集

海外でも高い評価を得る女性写真家・川内倫子│カメラ初心者におくる知っておくべき名カメラマン、見ておくべき写真

川内倫子(かわうち りんこ)さんは、国際的に注目される写真家です。日常生活を切り取りつつ、その中にある生と死のもろさを表現する写真を撮影します。 1972年、滋賀県生まれ。1993年に成安女子短期大学卒業後、大阪の広告制作会社の写真部に就職。その後上京し、東京のスタジオを経て、1997年よりフリーランスとして活動を開始しました。 1997年に第9回ひとつぼ展グランプリ受賞。ひとつぼ展は、数多くの有名な若手写真家を輩出してきた写真家登竜門の一つです。 また2002年には写真集『うたたね』と『花火』の2冊で、第27回木村伊兵衛写真賞受賞しています。木村伊兵衛写真賞は、写真界の芥川賞と言われています。

■海外でも高い評価を得る女性写真家

川内さんは国内外のギャラリー、美術館で作品を発表しています。海外では、2005年にパリのカルティエ財団美術館、2006年にロンドンのアートギャラリー、2007年にサンパウロのサンパウロ近代美術館、2015年にオーストリアの美術館クンスト・ハウス・ウィーンなど、海外での写真展を次々に成功させています。クンスト・ハウス・ウィーンでの個展では、WEBサイトに「現代写真におけるもっとも革新的な作家の一人」として紹介されました。 日本での主な写真展としては、2008年に静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館、2012年に東京都写真美術館、2016年に熊本市現代美術館で個展を開催しました。 また数々の賞を受賞しており、2002年に日本写真協会新人賞、2012年に芸術選奨文部科学大臣新人賞と第29回写真の町東川賞国内作家賞を受賞しています。また2013年には、個展『照度 あめつち 影を見る』で、芸術選奨新人賞を受賞しました。 海外での受賞歴もあり、2009年にニューヨーク国際写真センターが主催するインフィニティアワード新人賞を受賞しています。

■日常の瞬間や自然の風景を鋭い感性でとらえる

川内さんは、コンスタントに作品集を発表しており、これまで20冊以上を刊行しています。主な作品としては、何気ない日常の風景を撮りながらも、生と死を強く感じさせる『うたたね』、日本各地で打ち上げられる花火を綴った『花火』、ドキュメント映画を独自の視点で撮り下ろした『花子』の3冊の写真集を2001年に発売しました。 2004年には、自然や生物の生命力を感じる瞬間の写真を収録した写真集『AILA』を発売。2005年には日常風景を切り取った写真に、自身による散文詩を日英バイリンガルで織り交ぜた『the eyes,the ears,』、1992年から2005年にかけて撮影した家族写真を収録した『Cui Cui』を発売しました。 2006年に発売した『りんこ日記』と『りんこ日記2』は、年間アクセス数25万件を越える、川内さんの携帯カメラ日記を書籍化したものです。 また2011年には、約15年の歳月をかけて撮りためた作品を収録した写真集『Illuminance』を世界5カ国で同時出版しています。 2013年には、阿蘇の野焼きを撮影した写真をメインにした写真集『あめつち』を発表。2017年には4年ぶりのオリジナル写真集となる、全点デジタルで撮影した『Halo』をリリースしました。 2012年に発売した写真集『光と影 Light and Shadow』では、経費を引いた売上の全額を被災地の復興支援のために寄付しました。

■独特な世界観を持ち、今しかないものを捉える

写真集や展示会のほかにも、川内さんは2004年に公開され、カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した映画『誰も知らない』のスチールを担当しています。 川内さんは、あらかじめはっきりとテーマを決めて作品を撮り始めることはないそうです。「個人的な思いから解き放たれたものじゃないと、発表する意味がない」との言葉もあります。 そんな川内さんの活動は、公式ホームページにて確認できます。またInstagramもしており、活動をチェックできます。プライベートでは、2016年6月に44歳で第一子を出産しています。